【低線量の放射線による健康効果】
放射線は物質を浸透する力が大きいので体の内部まで届きます。放射線が大量のとき体の中で最初に起こることは、水分が放射線によって分解され、反応性の非常に高い活性酸素の一種、ヒドロキシルラジカルができあがります。人の体は90%以上が水で構成されているので、体のいたるところでヒドロキシルラジカルができると考えられます。これが大量にできてしまうとDNAが損傷し、細胞が死滅し、その結果、病気になったり死亡することがあります。放射線を大量に浴びると放射線障害を引き起こしたり、最悪の場合は死に至ることになります。
しかし、低線量の放射線は、細胞に刺激を与えるにとどまり、それが逆に合図になり細胞の防御反応を高め、体によい影響を与えることになります。
低線量の放射線による健康効果としては、次のことがあげられます。
- 体内で過剰の活性酸素を除去したり、無害化する酵素が増加する
- 免疫機能が高まる
- アポトーシス(発がん物質などで傷つき異常化したDNAを処理する)を活性化する
- がん抑制遺伝子のたんぱく質が増加する
- 細胞や組織の活性化により、病気の予防や治療、老化防止が図られる
ラジウムトロンは、トロンを人工的に温浴水に溶け込ませて利用しています。トロンが皮膚から、あるいは呼吸で体内に取り込まれ、全身の組織や器官に行きわたり、生理的刺激作用をもたらします。その結果、抗酸化機能や免疫機能を高め、抗炎症機能、病的変調をきたした細胞を活性化し、皮膚、筋肉、内臓器官における炎症、疼痛、腫瘍などを回復に導くだけでなく、血糖値やコレステロール値の改善を期待することもできます。
トロンとは何か?④へ続きます。
引用元:山本幸司著『末期がんでもまず10年 元気で共存できる条件』より