ゆる~く薬膳 ≪ 山芋 ≫

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こんにちは。

国際中医薬膳師の資格を持つスタッフMです。

突然ですが皆さん『山芋』は好きですか?よく食べますか?「うーん、嫌いじゃないけどそんな食べないな」という人がほとんどではないでしょうか?でも実はこの山芋、毎日少しずつでも食べてほしい食材のひとつなんです。

山芋(長芋、大和芋、自然薯、やまの芋)は山薬≪サンヤク≫といって生薬(漢方薬)の一つです。薬膳用語で表すと『益気養陰』『養胃』『補脾止瀉』『固腎』『益精補肺』など。性味は甘/平または温。帰経は肺・脾・腎。この「脾」「肺」「腎」の3つを元気にするのが特徴です。

 ➡︎ 胃腸などの消化系
 ➡︎ 呼吸器系(お肌・大腸なども関係)
 ➡︎ 生命力を司る場所(発育・生殖機能に関わる)活力(エネルギー)を蓄え、発育・成長、生殖活動をコントロールします

山芋は脾と腎と肺に作用し、それぞれの機能を高めます。薬膳的には①胃腸を元気にして、食べ物から栄養を作り出せる②肺を元気にして、咳や喘息を止めたり、お肌を潤したりする③腎を元気にして、生殖機能を高めたり、発育の助けになったり、おりものや尿など漏れ出るのを防ぐ というところでしょうか。山芋は消化吸収力が弱っている方、水分代謝や排尿異常、老化症状がある方、空咳が出る方、虚弱体質の慢性の下痢などに向いています。そういえば日本でも「滋養強壮」「精のつく食材」と言われていますね。

薬膳の調理実習で70代の講師が「私は山芋を毎日5㎝くらい食べてます」と言っていました。確かに彼女はとてもパワフルでしたし、年齢の割にお肌は白くプリプリと潤っていました。山芋は癖のない味なので、使いやすい食材です。また、ねばねば・ヌルヌルが苦手な方は、煮る・焼く・揚げるなど火を通せば気にならなくなります。山芋は加熱すると疲労回復に良いとされますし、生食は体を潤すと言われているのでお肌が乾燥する今の時期にはぴったりです。前出の70代講師は「調理がめんどうな時はさいの目切りにしてお味噌汁に入れるだけよ」と言ってました。これなら無理なく続けられそうですね。

私たちの身体は、自分が食べているものから作られています。食べることは一生続く大切な養生になります。薬膳とは、漢方の理論に基づき、体質や体調、季節などに合わせた食事を無理なく毎日の暮らしの中に取り入れること。あまり難しく考えず、ゆるっと薬膳始めませんか。

参考資料 : 性味表大辞典/竹内郁子 編著