ゆる~く薬膳  ≪ 白ごまと黒ごま ≫

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こんにちは。

国際中医薬膳師の資格を持つスタッフMです。

今日は”ごま”のおはなしです。

薬膳では白ごまと黒ごまで性質や働きが異なります。

全く違ったものになるほど、効能として効く場所が違うというのです。

白と黒という色違いの”ごま”。なのに性質が違うという薬膳(中医学)の教えに、私はとても興味を持ちました。

うるおい補給、美容目的には白ごま

薬膳では白ごまを『肌や体を潤したい時』に使います。肌の乾燥、呼吸器、大腸の乾燥を潤してコンディションを整えると考えられ、古くから活用されてきました

性味 : 甘/平(ただし“飲膳正要”や“本草綱目”では大寒となっている)

帰経 : 肺・脾・大腸 ※肺(呼吸・宣発と粛降・水のめぐり)・脾(運化・昇清・統血)

効能 : 潤燥滑腸、通便、補虚損、通血脈、潤膚肌 など

中医学では大腸と肺が経絡でつながっていると考えられ、肺と皮膚もつながっています。肺は肌に弾力や潤いを与えたり、その表面をガードする臓器と考えられています。肺の働きが衰えると、てきめんに肌に現れ、カサつきやシワの原因になります。白ごまはその肺やお肌に潤いを与えます。乾燥するお肌や空咳が出る方にも向いています。白ごまは黒ごまより油分が多く、薬膳では便通改善の食材です。余分な熱を取り除き、皮膚を潤し乾燥や赤みを改善します

スローエイジング、養生には黒ごま

薬膳では黒ごまを『年齢を重ねたことによる身体の変化』を緩やかにしたい時に使います。髪のパサつきや白髪、肌のたるみや、足腰の重だるさなど、加齢からくる現象を和らげる力があると考えられ活用されてきました

性味 : 甘/平

帰経 : 肝・腎・脾・肺 ※肝(気機を調節し蔵血)・腎(生命力を蓄える機能

効能 :温中下気、化痰解毒、補肝腎、益肝養髪、軽身不老 など

肝・腎に特化した効果が働き、疲れ弱った肝・腎を補い強化。肝・腎の陰を養い、血を養い精(生命エネルギー)を増やします。乾燥を潤して便秘を改善します。老化によるパワー不足を補い、肌や髪の衰えをストップしてくれます。また黒ごまは「血と肝」「精と腎」を補い“不老長寿食”と言われています

私は秋冬の乾燥対策の一環として、夏が終わる頃から意識的にごまを食べるようにしています。ごま和えなどのごま料理は積極的に作りますし、納豆やお味噌汁、卵焼き、おにぎり、サラダ、ごはん(←イメージはSoup Stock Tokyoの”白胡麻ご飯”)・・・など、なんにでもごまを入れて(おおさじ2以上入れます)います。そういえば前にTVであの✨美のカリスマ 君島十和子さん✨が、行きつけのお蕎麦屋さんに、店主に同意を得た上でごまを持ち込み(Myごま!)、それをそばつゆに入れていただいています、とおっしゃっていました。・・・もちろん私はそこまで(Myごまの持ち歩き)はしていません 笑

お料理によって”いりごま”のままで使うこともありますが、白・黒どちらも吸収力を上げるために擦ってから食べるのがbestです。表皮を割らないで食べても消化されず、そのままの形で排出されてしまいます。良い成分が吸収されないなんてもったいないですよね。でもだからといって大量に擦っておくのはダメ✖です。ごまの油分が酸化してしまいます。食べる直前に擦る。もし擦ったごまが余ったら、冷蔵庫に入れ2週間以内に食べきるようにしましょう

ごまは小粒ですが健康づくりを助ける力は大きいです。健康と美容のために、季節やコンディションに応じて【白】と【黒】を使い分けて若々しく健康に過ごしましょう

参照資料 : 竹内郁子 編著 性味表大辞典